今回は単位について簡単にお話させて頂きます。
国際単位系(SI単位)とか聞くとなんだか頭が痛くなりそうですが、これは物理などでも使用されるニュートン【N】などの事です。
材料工学などで使われていた【kgf】や【kgf/㎟】などの工学単位系は今でも見かけますが、世界中で色々な単位がある中バラバラでは何かと不都合が生じますので、国際単位系としてSI単位に統一する事になっています。
そこで国際単位系と工学単位系を比較してみます。
SI単位 :質量【kg】 ・ 密度【kg/㎥】
工学単位 :質量【kgf・s²/m】 ・ 密度【kgf・s²/m²】
上記の様になりSI単位の方がものの性質をよく表していて理解しやすいのではないでしょうか?
次に、力と重さについての比較ですが重力加速度を9.8m/s²としたとき工学単位系では力も重さも【kgf】で表すのですが、通常これを省略して【kg】という単位で表します。
1kgfとは質量1/9.8kgf・s²/m (SI単位で1kg)の物体に重力加速度9.8m/s²が作用した時の力をいいます。
これに対してSI単位では力と重さは【N】で表し、1Nとは質量1kgの物体に1m/s²の加速度が作用したことを表します。
上記の事から重さ1000kgの物体すなわち1000kgfは「1000×9.8=9800」ですから9800Nとなります。
「1kgf=9.8N」
ちなみに圧力の単位は工学単位系では【kgf/㎟】略して【kg/㎟】と表しますが、SI単位では【Pa】(パスカル)になります。
1【Pa】=1【N/㎡】
これはつまり1㎡の面積に1Nの力がかかった時の圧力が1Paという事になります。
物理などではメートル表示が基本ですが、工学ではミリメートルが基本となるため上記の表示もミリメートルで表すので下記の様になります。
1【N/㎟】=1×10⁶【N/㎡】=1×10⁶【Pa】=1【MPa】
以下に単位の換算表を記載します。
項目 SI単位 工学単位
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質量 9.8kg 1kgf・s²/m
密度 9.8kg/㎥ 1kgf・s²/m
重さ・重量 9.8N 1kgf
力 9.8N 1kgf
モーメント 9.8N・M 1kgf・㎟
圧力 9.8MPa 1kgf/㎟
応力 9.8N/㎟ 1kgf/㎟
工率 9.8W 1kgf・m/s
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※重力加速度を9.8m/sとした時の換算値です。
※kgfは略してkgとする時があります。