今回は快削鋼についてです。
「快削鋼」・・・と聞くとなんかちょっと安心できるというか嬉しくなりませんか?
切削加工経験者で削りにくい材質に悩まされた経験のある方だと解って頂けると思います。
これはどんな材料かといいますと「S-C材(S45Cなど)」に「いおう(S)」、「りん(P)」、「鉛(Pb)」などを加えて削りやすくしたものです。
JISの記号は「SUM」という記号になります。
では削りやすい・・・とはどの様な事かというと、「工具の刃持ちが良い」「キリコの処理がやさしい」「寸法精度や仕上げ面粗さを狙いやすい」など、切削加工に携わる人には嬉しい材料になります。
そこで何故削りやすいのかといいますと、先の成分が大きな役割を果たしています。
いおうはマンガンと化合して硫化マンガンとなって分散し、材料の中に空洞をつくり切削抵抗を小さくする働きがあります。
鉛は小さい球状になって分散する事で、いおうと同じように材料を脆くします。
またキリコと刃物のすくい面の間に入り込み切削熱によって溶ける事で潤滑作用の働きもします。
りんは有害物として極力入れないのが通常なのですが、いおうと同じく材料を脆くする働きがありますので少しだけ配合されるそうです。
上記の他にも特殊鋼メーカーが独自の快削鋼を製作しているそうです!
たとえば上記の快削鋼に鉛やテルル(Te)を添加した「超々快削鋼」と称するものや「カルシウム(Ca)を加えた「カルシウム快削鋼」などがあります。
とくにカルシウム快削鋼は「鉛」に代わるものとして普及しているそうです。
一口に鉄(鋼)といっても色々な種類があるものですね。
一段上のレベルの加工屋さんになる為にも今後も勉強が必要だと痛感しています・・・。
なんにしても切削加工を行う自分としては「削りやすい」という事に感謝です☆