ショアかたさについて
ショア(Shore)かたさは「ロックウェルかたさ」と並び、機械工場の現場でよく使われる試験方法です。
ほかの「かたさ試験」が圧子を押し込むことに対する抵抗(くぼみの大小)で決めます。
ところがこの「ショアかたさ」は先端がダイヤモンドで出来た重りを試験しようとする相手に落としその「跳ね上がり高さ」で決めます。
かたいもの程、高く跳ね上がるという決め方をします。
跳ね上がり高さで試験をしますので、ゴムのように弾性のあるものを試験しようとすると鋼より高く跳ね上がるという事態も起こります。
ですので「ヤング率」(縦弾性係数)の同じものを比較しないと意味がないので、当然鋼専用の試験になります。
ショアかたさはその試験機によっておもりの重さ、落とす高さなどが色々違います。
原則として5回連続した読みの平均値で試験数値を読みます。
ただ試験する条件や、試験管によって大きな差が出る事があり熟練を要します。
利点としては試験対象に傷がつかない為、仕上がり品や加工材料を直接試験できるメリットがあります。
さらに機械が単純な物ですので移動にも便利です。
上記の事などが「ショアかたさ」が現場で広く利用されている大きな理由と言えます。