ここでは部品加工や機械部品などで使用されます金属材料について簡単にご説明させて頂きます。
「SS材」
金属加工をするなかで、いちばん多いのはこの「SS材」ではないでしょうか。
機械工の俗称として「ナマ」と呼ばれています。
焼入れはできません。
SS材でよく使用されますSS41という材質の「41」はは機械的性質を表していて引張り強さ
が41Kgf/㎟という鋼材の事です。
一般構造用炭素鋼鋼管「STK」はSS材と同じものが管になったものです。
「S-C材」
機械構造用炭素鋼といわれ炭素鋼でありながら特殊鋼扱いになる材料です。
このS-CというようにSとCの間の数字は炭素Cが何%含有されているかを表します。
一般的によく使用されるS45Cは炭素が0.45%(前後)含有されています。
炭素鋼は炭素Cの含有量が多い程かたく、強くなっていきます。 (0.6%が上限です)
「合金鋼」
機械構造用合金鋼といわれ一般的に炭素鋼よりかたく、ねばい性質の金属です。
合金鋼は合金元素がなにであるかわかるような材料記号になっています。
たとえばクロム(Cr)ニッケル(N)を含有したSNC(ニッケルクロム鋼)ですとか、クロム(Cr)にモリブデン(Mo)を含有したSCM(クロムモリブデン鋼)などがあります。
合金鋼は炭素鋼ではその強さが実現できないところなどに使用し、炭素鋼では入らない太い材料でも焼入れが可能ですので「焼入れ性を保証した構造用合金鋼」といえます。
「工具鋼」
工具鋼と言われるものには「炭素工具鋼」「合金工具鋼」「高速度工具鋼」の3種類あります。
工具鋼の条件は、かたくてねばいことです。
炭素工具鋼では炭素(C)の含有量を0.6~1.5%の間で含有し1~7種に分かれています。
炭素工具鋼は200℃を超えると急激に焼入れが戻ってしまうのが弱点ですので切削工具には使用できません。
合金工具鋼は炭素工具鋼の熱に弱い弱点を補うもの、あるいは衝撃に強いものなど炭素工具鋼にいろいろなものを加えたものです。
切削工具用では耐摩耗性向上のためクロム(Cr)タングステン(W)バナジウム(V)を加えます。
耐衝撃用としてはSKS(特殊工具鋼)、SKD(ダイス鋼)などがあり、SKDはクロム(Cr)を多く含有し常温での耐摩耗性が大きくなっています。
鍛造型用のSKTはじん性を重視した材料になります。
高速度工具鋼は一般にハイスと呼ばれています。
この高速度というのは切削速度が従来の炭素鋼よりも高速に出来る事から「ハイスピード」でハイスと呼ばれているそうです。
熱に弱い炭素工具鋼とは違い高速度工具鋼は600℃くらいまで耐える事ができます。
ハイスにはタングステン(W)系とモリブデン(Mo)系とがあり、高温でのかたさをもたせるためにタングステン(W)18%、クロム(Cr)4%、バナジウム(V)1%を加えた物が基本となっています。
これにコバルト(Co)を入れかたさを上げたものもあります。